LINEを使っていると突然「暗号化を解除しています」というメッセージが表示されて驚いた経験はありませんか?
「もしかして乗っ取られた?」「誰かに見られてる?」と不安になる人も少なくありません。
この表示は、LINE独自のセキュリティ機能である「Letter Sealing」に関連したもので、必ずしも危険な状態を意味しているわけではありません。
しかし、正しく理解しておかないと、メッセージの表示がされなかったり、トークが復元できなかったりといったトラブルに繋がることも。
この記事では、「暗号化を解除しています」と表示される原因から、その具体的な対処法、そして今後表示されないようにするための予防策まで、わかりやすく徹底解説します。
「暗号化を解除しています」とは何か?
LINEの暗号化技術「Letter Sealing」とは
LINEでは、ユーザー同士のトーク内容を安全に守るために「Letter Sealing(レターシーリング)」という暗号化技術が使われています。
これはエンドツーエンド暗号化と呼ばれる仕組みで、メッセージが送信者から受信者に届くまでの間、第三者が内容を盗み見できないように保護される技術です。
つまり、LINEのサーバーですら内容を読むことができないほどの強固な暗号化が施されています。
Letter Sealingは初期設定でオンになっているため、多くのユーザーは意識することなく利用しています。
「暗号化を解除しています」の表示が出る仕組み
この「暗号化を解除しています」という表示は、LINEが送受信されるメッセージの暗号を一時的に解読して表示内容を確認している際に出現します。
通常は瞬時に解読されて表示されるため、ユーザーが気づくことは少ないですが、特定の状況で解読処理が遅れた場合に一時的に表示されることがあります。
これはエラーではなく、暗号化されたメッセージを適切に読み取ろうとする正常な処理の一環です。
表示されるタイミングと状況
主に「暗号化を解除しています」と表示されるタイミングは、以下のような状況です:
- トーク相手が機種変更を行った直後
- 自分が新しい端末にLINEをインストールした直後
- トーク内容をバックアップから復元した場合
- アプリが一時的にデータを読み取れない状況にあるとき
これらはいずれも、暗号キーが端末間で一致していない、あるいは再読み込みが必要な場面で起こります。
したがって、LINEのセキュリティが働いているサインとも言えます。
「暗号化を解除しています」と表示される主な原因
機種変更時の暗号化キーの不一致
LINEの「Letter Sealing」は端末ごとに個別の暗号化キーを持っています。
そのため、機種変更をした場合、新しい端末では古い暗号化キーを持っていないことになります。
これにより、以前の端末で送られた暗号化されたメッセージを読み取ることができず、「暗号化を解除しています」という表示が現れるのです。
これは特に、バックアップから復元したトーク履歴の中に未読メッセージが含まれている場合によく見られます。
暗号化キーの不一致が原因で、メッセージの復号に時間がかかる、あるいは一部読めなくなることがあります。
LINEアプリのバージョンの違い
送信者と受信者のLINEアプリのバージョンが異なる場合にも、暗号化処理に差異が出て「暗号化を解除しています」と表示されることがあります。
特に、Letter Sealingに関する仕様変更があったバージョンの前後では互換性が失われることがあるため、注意が必要です。
片方が古いバージョンのままだと、メッセージの正常な解読ができない可能性があります。
「Letter Sealing」機能の設定不備
まれにユーザーが意図的に「Letter Sealing」をオフにしている、または何らかの不具合で機能が正しくオンになっていないケースもあります。
設定が無効になっていると、新しく届いたメッセージに対して正しい復号が行えず、一時的に表示が出ることがあります。
この場合、設定画面から「Letter Sealing」が有効になっているかを確認し、必要に応じてオンにすることで改善が期待できます。
このように、「暗号化を解除しています」という表示は何らかのセキュリティ的な不一致や不具合の兆候であることが多く、早めに原因を特定し対処することが重要です。
「暗号化を解除しています」表示の対処法
「Letter Sealing」機能の再設定方法
まず試してほしいのが、「Letter Sealing」機能の再設定です。
この機能が正しく機能していない場合、暗号化がうまく解除できず表示が出続けることがあります。
設定方法は以下のとおりです。
- LINEアプリを開く
- ホーム右上の「設定(歯車アイコン)」をタップ
- 「プライバシー管理」を選択
- 「Letter Sealing」の項目を確認し、オフになっていたらオンにする
- 一度オフにしてからオンにし直すことで、再同期が行われることもある
再設定後、LINEを再起動すると症状が改善することがあります。
LINEアプリの最新バージョンへのアップデート手順
アプリのバージョンが古いと、暗号化方式の不一致が起きやすくなります。
iOSでもAndroidでも、LINEのアップデートは簡単にできます。
- iPhoneの場合:App Storeを開き、LINEのアップデートが表示されていれば「アップデート」をタップ。
- Androidの場合:Google Play ストアを開き、「マイアプリとゲーム」からLINEを選択し、アップデートがあれば実行。
アップデート後は、念のためLINEアプリを再起動し、トークルームを開き直して表示の変化を確認してください。
LINEアプリの再起動とキャッシュクリアの方法
アプリの一時的な不具合が原因の場合、再起動やキャッシュの削除が効果的です。
- 再起動:マルチタスク画面でLINEを完全に終了し、再びアプリを開く
- キャッシュクリア:
- iPhoneの場合は一度アンインストール後に再インストール(※バックアップ推奨)
- Androidの場合は「設定 > アプリ > LINE > ストレージ > キャッシュを削除」で対応可能
これらを試しても改善しない場合は、LINE公式サポートへの問い合わせも検討しましょう。
機種変更時に注意すべきポイント
トーク履歴の正しいバックアップと復元方法
LINEで機種変更をする際に最も重要なのが、トーク履歴のバックアップです。
暗号化機能が有効な状態でバックアップを取らなかったり、適切に復元できなかったりすると、「暗号化を解除しています」という表示が出やすくなります。
【iPhoneの場合】
- 「設定」→「トーク」→「トークのバックアップ」→「今すぐバックアップ」
- iCloudに保存されるため、同じApple IDでサインインしていることが必要
【Androidの場合】
- 「設定」→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ・復元」→「Google ドライブにバックアップ」
- Google アカウントが連携されている必要があります
復元時も、LINE初回起動時に「トーク履歴を復元」オプションが表示されます。
これをスキップしてしまうと、復元できずに暗号化エラーが発生することもあります。
未読メッセージの確認と対処
バックアップを取った後に受信した未読メッセージは、新しい端末には引き継がれない可能性があります。
そのため、未読のまま機種変更を行うと、それらのメッセージが「暗号化を解除しています」と表示されたまま、読み込めなくなることがあります。
対処法としては、機種変更前にすべてのメッセージを既読にしておくか、変更直前に改めてバックアップを取るようにしましょう。
「Letter Sealing」機能の設定確認
新しい端末では、Letter Sealing機能が自動的にオフになることがあります。
この状態でメッセージを受信すると、復号処理が行われず、暗号化エラーの原因になります。
必ず以下の手順で設定を確認しましょう:
- 設定 → プライバシー管理 → Letter Sealing
- オフになっていたらオンにする
- オンにした後、LINEを再起動
これにより、暗号化キーが再発行され、端末とサーバー間の整合性が取れるようになります。
「暗号化を解除しています」表示を防ぐための予防策
定期的なLINEアプリのアップデートの重要性
LINEアプリは定期的に機能改善やセキュリティアップデートが行われています。
古いバージョンを使い続けていると、暗号化方式の不整合が生じ、「暗号化を解除しています」という表示の原因となる可能性があります。
特にLetter Sealingの仕様がアップデートされた際は、古いバージョンのアプリと互換性が取れなくなることがあります。
そのため、App StoreまたはGoogle PlayストアでLINEのアップデート情報をこまめにチェックし、常に最新の状態を保つことが重要です。
自動更新をオンにしておくと、アップデート忘れを防ぐことができます。
「Letter Sealing」機能の適切な設定管理
セキュリティの要であるLetter Sealingは、オフになっていると暗号化通信が正しく機能せず、さまざまな不具合が発生します。
特に複数端末でLINEを使っている場合、端末ごとにこの設定が有効になっているか確認が必要です。
設定手順は以下のとおりです:
- ホーム → 設定 → プライバシー管理 → Letter Sealing
- 設定がオンになっているか確認
- 複数端末使用時にはすべての端末でオンにしておく
定期的にこの設定を確認し、万が一オフになっていた場合はすぐにオンに戻すことが、表示を未然に防ぐコツです。
複数端末でのLINE利用時の注意点
タブレットやPCなど、複数の端末でLINEを使用する際には、特に暗号化の不一致が起きやすくなります。
例えばスマホでLetter Sealingがオン、PCでオフになっていると、暗号化キーの整合性が崩れ、メッセージの復号に失敗することがあります。
対策としては:
- すべての端末でLetter Sealingをオンに統一
- 機種変更後や新端末追加時には再ログインを行い、暗号化キーを更新
- メッセージの読み込みに時間がかかる場合は、該当端末で一度再ログインを行う
これらの予防策を講じることで、「暗号化を解除しています」の表示を大幅に減らすことができます。
まとめ
「暗号化を解除しています」という表示は、LINEのセキュリティ機能が正常に作動している証拠とも言えますが、場合によっては設定の不備や端末間の不整合が原因でメッセージの表示に支障が出ることもあります。
特に機種変更やアプリのアップデートを怠っていると、暗号化キーの不一致により復号処理がうまくいかず、表示が出続けてしまうことがあります。
この記事では、表示の意味から主な原因、対処法、そして日常的にできる予防策までを解説しました。
定期的なアプリの更新、「Letter Sealing」機能の設定チェック、そして複数端末での使用時の注意点を押さえておけば、ほとんどのトラブルは回避できます。
突然の表示に慌てることなく、正しい知識で安心・安全にLINEを使いこなしましょう。